Category  |  永遠のいのち

感謝の季節

リサは、秋の街は死を連想させるような暗くて陰惨な飾りが多くて嫌だと思いました。何とかしたくて、ささやかな抵抗を決行しました。手始めは、大きなかぼちゃに感謝している事柄を油性マジックで書くことです。一つ目は「おひさま」です。家を訪ねて来た人たちが、それにつづきました。「落書き」などと妙なことを書く人もあれば、「暖かい家」とか「故障していない車」など現実的な人、亡くなった家族の名前を書いて感傷的になる人もいました。かぼちゃの周りは温かい空気に包まれていました。

愛の偉大な行為

オレゴン州のマルール国有林に、890ヘクタールに渡って生息するナラタケは、世界で最も大きな生命体です。2000年以上に渡って糸状体を広げ、木々の命を奪いつつ成長しました。この巨大生物も、最初はひとつの微細な胞子でした。

渇きを癒やす水

バイカル湖は世界一深い湖です。最大水深は、約1,600メートル、南北636キロ、東西幅は79キロと広大で、世界中の地表淡水の5分の1がここにあると言われています。しかし、この湖はロシアの辺境のシベリアにあり、簡単に到達することはできません。地球上には深刻な水不足の地域もあるのに、こんなに豊富な水に手が届かないのは皮肉な話です。

スラムの歌

南米パラグアイのカテウラはスラムです。人々は貧しく、ゴミ捨て場から拾ってきたもので生計を立てています。ところが、ここから美しいものが誕生しました。オーケストラです。

祝宴

友人のシャロンが悲惨な交通事故で亡くなった一年後に、別の友人デイブの10代の娘メリッサが、やはり交通事故で亡くなりました。ある晩、私は彼女たちの夢を見ました。ふたりは広いパーティー会場を飾りつけながら談笑していて、私が部屋に入って来ても知らんぷりです。テーブルには真っ白なテーブルクロスがかけられ、金色の皿とワイングラスが置かれていました。私も手伝いたいと言ったのですが、ふたりには聞こえていないようでした。

天に送る

ホスピスの看護師に父が危篤だと言われました。父は帰ることのない旅に出かけていくのです。彼を看取る時が来たと悟りました。父の最期の日、意識の有る無しは定かではありませんでしたが、姉妹で父のベッドのかたわらに座り、頭にキスをしました。そして、神の約束をささやき、「主のまことはくしきかな」を歌って、詩篇23篇を読みました。そして、愛と感謝を伝えました。父がイエスの元に行きたいと心から願っていると知っていたので、もう逝ってもいいよと言いました。そう発することが、惜別の痛みの始まりでした。数分後、父は永遠のすみかに喜んで迎えられました。

次に来るもの

キング牧師の演説は、1968年4月3日の夜が最後でした。彼は死を予見していたかのようです。「私たちの前途に困難な日々が待っています。でも、今となっては、私にはどうでもよいことです。なぜなら、私は山の頂上に行ったからです。そして見渡しました。約束の地を見たのです。私はみなさんと一緒に行けないかもしれません。…しかし、今夜、私は幸せです。何も心配していません。誰をも恐れてはいません。私の目は、再臨の主の栄光を見ました。」翌日、キング師は暗殺されました。

尊い旅立ち

彫刻家リズ・シェパードの2018年の作品「待つ」について、「人生の尊く超越的なものを喚起させる」と、ボストングローブ紙が評しています。死にゆく父の枕元で過ごした時にインスピレーションを得たという作品は、切なさ、喪失の虚しさ、愛する人に手が届かないというはかなさを伝えようとしています。

誰が勝つか分かっている

私の上司は、ある大学のバスケットボールチームの大ファンです。その大学が全米選手権で優勝したので、部下のひとりがお祝いの メッセージを送りました。ところが、上司は決勝戦のビデオをまだ見ていなかったので、結果が分かってか、拍子抜けだと言いました。しかし、スコアが拮抗しても安心して見ていられるとも言いました。どちらが勝つか分かっていたからです。